YOSHITO ISHII:ROTRINGER'S DIARY

日日是匍匐:時時跳躍

見るという業を心眼に観る

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吉例夏夜噺さん喬・権太楼特選集

 

 

三三師の「つる」の後に、喬太郎師の「ウルトラのつる」。

これ、「噺がつく」内に入らないのかしら。

※何人もの噺家が出てくる定席では、後の演者は前の演者がやった噺(同じ要素のある噺)を

 やってはいけないという暗黙の了解がある

 

出てくるのが鶴じゃなくてウルトラマンだからつかないんだね、きっとね。

 

初めて聴きましたが超面白かった。

「つる」のフォーマットにウルトラネタを詰め込んだだけに見える噺ですが、

蘊蓄とネタの配分がいいからウルトラマン知らない人でも全然聴ける、

という緻密なつくり。

 

 

 

 

 

さん喬師「心眼」。

これも凄い噺です、盲人とルッキズム。

 

 

御薬師様に願掛けをして奇跡的に眼の開いた按摩さんが、

自分のことをずっと支えてきたかみさんの容姿を人から聞かされてがっかりし、

通りすがりの芸者の容姿に見とれ、

しかもその芸者が自分の容姿に惚れている、と聞かされる。

 

嗚呼なんと業の深い、嫌な噺なのでしょう。

 

視覚に依存する以上、人間は視覚による好き嫌い・価値判断からは

どうしようもなく逃れることができない。

ならば見えないほうがいいこともある、のだろうか?

目の見えない人もまた生臭い人間なのだ、っていう。

 

 

 

 

 

そういえば、神護寺展のメインが薬師如来だったのでした。

 

 

不忍池