春風亭一之輔独演会@葡萄屋寄席
「茶の湯」と「意地くらべ」。
茶の湯は例によって一之輔師流の工夫がふんだんに入るスタイル。
通りすがりの人を拉致拘束して茶の湯に強制参加させたり。
さて意地くらべ、初見の噺。珍品らしい。
タイトル通り、50円借りたはっつぁんと貸した隠居の意地くらべの噺。
「井戸の茶碗」と「三方一両損」を足したような。
正直、ちょっと飲み込みづらかったです。
50円返す際の強情隠居への八五郎の弁明の内容が、一度目と二度目で本質的に同じ
(二度目はより詳細に説明してるだけ)。だけど隠居はそれで納得しちゃう。
そこがちょっとうーん、と感じられたのか、あまりしっくりこない噺でした。
「井戸の茶碗」も「三方一両損」も、強情をひっくり返す機転が途中で入るので
「意地くらべ」もいつそれが来るのかと期待していたら
結局はっつぁんが寄り切って勝ちました、という。
その押し相撲の滑稽さを楽しむ噺なんだろうかね。
あるいは上記2つと比べると「転」のインパクトが弱い分、
あまりされなくなっちゃったのかな。