YOSHITO ISHII:ROTRINGER'S DIARY

日日是匍匐:時時跳躍

美術書籍/ART BOOK

最近購入した作品集・その18

幕末狩野派 spmoa.shizuoka.shizuoka.jp 幕末狩野派 2018年静岡県立美術館で開催された展覧会の図録です。 一見して爛熟だなあと感じます。 おなじみの狩野一信も冷泉為恭もいいけど狩野永岳。 四季耕作図、横長のやまと絵なんだけど描かれているのが漢画風…

「特別展 きもの KIMONO」図録

www.tnm.jp 「特別展 きもの KIMONO」 制作の参考にと思い、半ば装丁買い。 図録も豊富で時代の移り変わりによる着物のデザインの変化がよくわかります。 江戸時代の刺繍をあしらった着物って華やかなんですが、 正直まだ野暮ったいというか暑苦しいというか…

岡原大崋画譜

okaharataika.jp www.hatsukaichi-csa.net 岡原大崋画譜 広島で南画(江戸絵画における文人画)を制作されている 岡原大崋氏の画集です。はつかいち美術ギャラリーにて開催される 氏の個展に合わせて刊行されたようです。 岡原氏はもっぱら地元広島で活動され…

Andres Barrioquinto

www.yodgallery.com www.rizzoliusa.com Andres Barrioquinto フィリピンの作家です。 花・蝶、そして浮世絵のイメージを 重層的に組み合わせる、フィリピン・バロック。 なかなかこういうパワーのある作品に出会えることってありません。 そしてフィリピン…

復古大和絵と冷泉為恭

復古大和絵関係の図録を購入 復古大和絵、は幕末の京都で勤皇運動の高まりに呼応するように かつての王朝時代の大和絵を復興させようと 出てきた絵画様式です。個々の絵師の関係は派閥というより 緩やかな師弟関係程度のものだったようです。 何人か絵師がい…

大和絵白描の美

www.kintetsu-g-hd.co.jp 白描画関係の書籍をまとめて購入す 葉月物語絵巻・枕草子絵詞・隆房卿艶詞絵巻 白描画は墨絵の一種ですが 水墨と違い、線描のみで描く絵画様式です。 中国絵画にも白描はあるのですが塗り絵みたいなものばかりで、 この大和絵の白描…

現代工筆画・周彦生

中国近現代名画集・周彦生 周彦生、この人は写意画も描いていますが やはり工筆画の方が圧倒的に良い。 伝統的な工筆画では殆ど見かけない画面を埋め尽くす花や葉の構図。 日本画からの影響をご本人も指摘しておられます。 よく観るとモチーフがかなり形式化…

幕末北斎・暁斎

「絵画の冒険者 暁斎」展図録 この方は絵を描きながら悩むという事なんかなかったんだろうな。 膨大な脳内ファイルの中から、型を適宜組み合わせてアウトプットするような。 スピード感のある筆致、外連味のある画題。 暁斎の知名度が今一つ低いのは時代のせ…

渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画

seitei2021.jp 東京藝大美術館で開催されていた 「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」展。 生憎行けませんでしたが、東博のミュージアムショップにて図録を購入。 ホウボウつながりにて。常設展の高村光太郎作品 水彩的なたらし込みの素晴らしさ。 ただやはり…

一個我欣賞的作家・杜昆

mizuma-art.co.jp www.thisiscolossal.com 会ったこともありませんが、 心から敬愛する作家というのがおりまして。 日本のミヅマギャラリーに所属する中国人作家・杜昆もそのひとりです。 彼のことはミヅマギャラリー・オーナーの三潴末雄さんの著書 「手の…

INPUT&OUTPUT×FRANCIS BACON

www.francis-bacon.com フランシス・ベーコン。 言わずと知れたイギリス、というよりも20世紀を代表する画家です。 捻じれて歪んだ、原形をとどめていない人物像。 三幅対などのキリスト教美術を現代風に参照したスタイル。 モチーフの人物像、或いは肉塊は…

最近購入した作品集・その17

鈴木ヒラク・SILVER MARKER hirakusuzuki.com その名の通り、シルバーマーカー一択で描かれたドローイング。 デジタルが暴走して描いたような得体の知れなさが実にいい。 細部は単純な線と点ですが、線の方向や間隔に非常に気を配って描かれていて、 スペク…

「清水晃-光る、闇-」展

ツイッターで清水晃に関するツイートが流れてきたので、 20年前の三鷹市美術ギャラリーでの彼の回顧展「清水晃-光る、闇-」で 購入した図録を掘り起こし。 清水晃は読売アンデパンダンから出てきた「反芸術」の作家です。 暗黒舞踏の土方巽の舞台美術も手…

Geschätzte Tiere Valued Animals :Nicole Schuck

www.nicoleschuck.de Nicole Schuck。ドイツの作家です。 Geschätzte Tiere-ドイツ語で大切な動物たち、という意味。 動物の巨大なドローイングに地図の道筋が重ねられている作品。 単なるドローイングということではなくて ある特定の地域に生息する動物に…

最近購入した美術書籍・その16

www.phaidon.com イギリスの美術出版社・PHAIDONが出版しているVITAMINシリーズ。 VITAMIN D3。ドローイング作品集です。 VITAMIN P(絵画)やVITAMIN C(クレイ&セラミック)などもあります。 ドローイング、といっても日本人の好みそうなイラスト系や写実系は …

最近購入した美術書籍・その15

tomiokoyamagallery.com 日高理恵子作品集 1979-2017 木を下から見上げた構図で描き続けてきた作家です。 一貫して鉛筆画。そして正方形の画面の多さ。 木そのものを描く、というより枝葉を使った絵画づくり、といった印象。 www.kellybeeman.com ケリー・ビ…

鄭乃珖

鄭乃珖(郑乃珖) 民国期から現代にかけて活躍した人です。 非常にユニークな画家で、 工筆画ですが溌墨を使いまくる。 描くモチーフもイセエビやカブトガニなどの甲殻類、貝類、魚や野菜、 鶏肉(生きている鶏ではない)、つまり食材をやたらと描く人。 殷周の…

于非闇ふたたび

中国近現代画家・于非闇画集 薄い画集だけでは飽き足らず、淘宝にて購入してしまいました。 やはり良い作家です、が、明らかに実験的な作品も。 こういう人にも試行錯誤があったのかなと、ちょっと身近に感じます。 若い頃は山水画も描いていますが後年は専…

陳少梅

陳少梅(陈少梅)絵画全集 この人も民国期の画家です。 1909年生まれで太宰と同い年。 南方らしい、端正な筆致と階調。 中国の画家にとって古典の模写は欠かせないそうですが、 この時代は革命のごたごたで故宮の宝物は四川に移され、 観ることができませんで…

喩継高

喩継高画集 彼の画風は率直に言って特徴が捉えにくかったのですが, かなり水彩寄りの工筆画、という印象を受けます。 枝を描く時に輪郭線を描かず没骨や溌墨で表現しています。 線を節約した,水彩に近い表現。 よく観ると蓮の葉一枚一枚にまで溌墨法で描か…

星野美智子全版画集・内容と技法の関係

星野美智子全版画集 www.michiko-hoshino.com リトグラフと写真製版、あとCGも。 ボルヘスというアルゼンチンの小説家の小説から着想を得た作品だそうです。 生憎不勉強で名前さえ知りません。マジックリアリズム、だそうな。 (ガルシア・マルケスとかそのへ…

南宋四大家絵画精品集

南宋の四大家と呼ばれる画家たちの作品集。 李唐・劉松年・馬遠・夏圭。 北宋南宋通じて宋代の水墨画は中国絵画の原点と呼ばれ、 崇拝に近い扱いを受けているようです。 中国の古典絵画は個々人が作品集を出せるほど作品が現存していないため、 抱き合わせで…

現代工筆画・高茜

画境・高茜 いかにも工筆画の新世代といった風情。 余白の多い構図とシンプルなモチーフ・静謐で淡い色彩に、少し性愛の香りが漂う。 この「画境」シリーズ、若い作家を扱っていていいんだけど、 版の大きさ(B4くらいある)に対して超薄いので、 大抵どこかし…

陳洪綬

陳洪綬(陈洪绶) 工筆画のつもりで購入したら、 豈はからんや文人画でした。 花鳥はともかく、人物画のこのユルさ。 でもちょっとアウトサイダーアートっぽくて、 線ものびやか。白隠にもちょっと似ています。 いい味わいがあります。 ご本人は画工としてしか…

現代工筆画・蘇小松

蘇小松(苏小松) suxiaosong.artron.net twgreatdaily.com 自筆のサイン入りでした。根源師傳淑心、かな。 1964年生まれ、生粋の上海人。 新海派(新海上画派)の領袖、などと紹介されています。 清末に新興都市の上海を中心に出てきた芸術潮流を海上画派とい…

現代工筆画・沈寧

沈寧(沈宁) 全て絹本着色。超絶的に巧いのは勿論ですが問題は内容です。 穏当な作品の影に、かなり性的な作品も(検索すると百合まで出てくる)。 観る人によってはちょっと嫌悪感を催しそうな作品も。 描かれた動物たちは性的な欲望の象徴でしょう。 驚くべ…

韓国単色画

チョン・チャンソプ (丁昌燮,Chung Chang-Sup,정창섭) 昔の中国の次は現代韓国。韓国単色画。 70年代の韓国で出てきた画風です。 単色画は欧米でも人気が高いらしく、 個人の作品集がずいぶん出ています。 確かにホワイトキューブに展示するなら こういう…

浙派両頭

袁派の次は浙派。 明代の職業画家中心の画派です。 戴進・呉偉。これもいい。 どこの国でも時代が降るにつれて 技術はより洗練され、成熟を観ます。 それと引き換えに黎明期の新鮮さや素朴さは失われる。 日本でも江戸より室町の水墨画の方が あっさり目で質…

袁派両頭

清代の画家 袁江・袁耀の画集 袁派です。 明の浙派・清の袁派。 袁派とは清の時代に江南の揚州で活躍した、袁氏一族を中心とした画派です。 見ての通り、宋代の宮廷絵画・院体画(李郭派)のスタイルを引き継ぐ 正統的で緻密な筆致ながら、ダイナミックな作…

郎世寧・仙蕚長春図

郎世寧の仙蕚長春図です。 書籍というよりほとんど冊子。 横長の紙に印刷されて織り込まれている装丁です。 例によって乾隆帝の印がでかでかと押されています。 故宮博物院あるある。