会ったこともありませんが、
心から敬愛する作家というのがおりまして。
日本のミヅマギャラリーに所属する中国人作家・杜昆もそのひとりです。
彼のことはミヅマギャラリー・オーナーの三潴末雄さんの著書
「手の国の鬼才たち」で知り、一目で魅了されました。
元々ロックスターを山水画に見立てた大きな油絵作品で
有名になりましたが(彼自身がミュージシャンでもある)、
今回のミヅマギャラリー(シンガポール)での個展では
なにかの音波(彼の愛する音楽でしょうか)を山水画に見立て、
それを絹本着色で6ⅿもの作品に物しています。
中国のアートというと、
保守的な伝統絵画と現代アートがどうにもぱっきりと分かれている印象があり
(その辺は日本も変わりませんが)、
伝統絵画は技術的には素晴らしいものの穏当な題材ばかり、
逆に現代アートの方はワンパターンだったり毒々しいばかりの作品も多く。
このふたつがうまいこと組み合わせられた作家がいればなあ、
と思うことしばしばなのですが。
現代的なコンセプトを伝統絵画の技術に託して表現する、
こういう中国人作家をずっと待ち望んでいました。
いちファンとして、日本での個展で彼の作品が観られる日を
心より待ち望んでいます。