上野のカプセルにて一泊し、渋谷経由で駒場へ
白磁展@日本民藝館
この白磁にしても或いは長次郎の黒楽茶碗にしても、
これが正解とばかりに最初から究極形をバン!と提示されてしまい、
後世の陶芸家が皆きりきり舞いさせられている、という感じがします。
つまり絶対的な美。究極の白と黒の前では後世の諸々の作為がどうしても
小賢しい印象に映ってしまうのです。
つい時間を忘れてしまいました。
続きまして泉屋博古館。狩野芳崖と四天王展。
仁王も悲母観音もおらず。ちょっと物足りないか。
偉大な師を超える弟子はなかなかいない、というより、
おそらく師匠より勇名を馳せた時点で「弟子」という文脈は
希薄になっていくものなのでせう。
例えば大観も彼の弟子筋ですが、独立した名前ですよね。
HYPER LANDSCAPE@ワタリウム美術館。二十年ぶりのワタリウム。
B-BOY彫刻、もう二三点あっても良かったかな。
OBATAさんの作品は木彫という所がよいのだと思います。
ブレイクダンスから着想を得たアクロバティックな体勢と
フォーマリスティックなコスチュームは、例えば素材がFRPだったら
陳腐な製品感が出てしまうんじゃないかと。
梅沢さんが高1で作ったという「WINDOWS ZERO」が素晴らしかった。
デスクトップPCのフレームを使った箱庭様のオブジェ。
初期衝動が勝ちがちな年頃だと思うのですが、実によく整理されていると感じました。
最後は盛田亜耶「最後の晩餐」@ギャラリー・アートアンリミテッド
ギャラリーにはほとんど行きませんが、
ツイッターで見かけて以来、オリジナルを観てみたかった作品でした。
作品によってライティングの色合いが異なるのは
裏面に蛍光塗料を塗布しているとのこと。
聖書的なテーマのようです。
卓越した技術の確かさは当然のこととして、
問われるべきはやはり主題です。
そんなわけで充実した二日間でした。