松山文創園区
「文化創意特区」や「藝術村」と名乗る場所が、
台湾にはたくさんあります。
以前ここに来た際には、
アーティスト・イン・レジデンスで滞在しているアーティストと
交流し、野外作品なども展示されていた記憶がありますが、
率直に言って今回はいい印象を持ちませんでした。
広大な建物をあまり生かせておらず、内部に空きが目立ちます。
(あげくスペースが余っているせいか、今回ユニバーシアードのプレスセンターになっている始末です。
場所が足りないのかもしれませんが、文化創意と何の関係があるのだろう)
※追伸:よくよく思い起こしてみたところ、アーティスト・イン・レジデンスで
アーティストに出会ったのは台北国際芸術村の間違いでした。そもそも松山文創園区は初見でした。
訂正致します。
今回聞いた話では、
本来「台湾の文化とは何か?」という問いから出発した
「文化創意」というフレーズは、今では濫用されているきらいがあって、
本来の意図とはズレて使われている例も多いのだそうです。
これには思い当たるところもあって、例えば過去台北に来た際には、
わたくしは必ず華山藝文特区(まだ1914文創園区に名前が変わる前)に
行っていました。
15年前の、ろくに建物のなかった時代から、
アートギャラリーやお洒落なショップが入っていた時代も見ています。
しかし、一昨年訪れた際には整備こそよくされているものの、
展示と言えば日本のアニメやポップカルチャーに関するものばかりで
(だから人出は多いのですが)
もうここは俺が来る場所ではないな、と感じました。
そして今回の松山・・。
かつて従来の美術館に代わる新たなアートスポットとして、
オルタナティブスペースが持て囃され、雑誌によく掲載されていた時代がありました。
(今でもアート特集など組まれる際には載っているかもしれません)
これは台湾に限った話ではありませんが、
大規模なオルタナティブスペースの運営には確固たるコンセプトを明確に持ち、
強いリーダーシップを持ったキュレーターでもいない限り、
商業主義に走ったり建物を持て余したり、単なるイベント会場と化してしまう宿命から
逃れられないように思います。
気を取り直して現代美術館へ
李真(Li Cheng)という作家の個展。
こういったずんぐりむっくりした造形は、しばしば台湾のアートで観られるものです。
(個人的にはあまり好きな造形センスではありません・・)
台北市立美術館
台湾と韓国の作家の交流展。
今回の旅は何故だか韓国付いていて、台中で観たチェ・ウラムに続き、
ここでも韓国アートを観ました。
VRを使った体感型の作品もありましたが、
自分はやはりこういった作品が好きです。
ドローイングを印刷してインスタレーションにしたものですが、
よく観ると双頭などの奇形動物を描いたものだとわかります。
二階は収蔵作品展
フォンタナ 須田悦弘
その後、内湖線の西湖駅へ。
この界隈はオフィス街でIT企業も多く、
そこに勤務する富裕層を当て込んだアートギャラリーが数軒あるのです。
ART ISSUE POJECT ここも韓国アート専門のようです
SOKA ART
秋刀魚芸術中心。油絵教室が開かれていました。ディレクターの女性に名刺と個展のパンフを渡しましたが、
実に素っ気ない対応をされてしまいました
TINA KENG gallery
このギャラリーにいた、自分と同様にギャラリー巡りをしているという
ヴェトナム人の女性彫刻家に道を聞かれ、しばしの間、同行しました。
よもやま話をしつつギャラリーを探し回り、なかなか楽しい時間を過ごしました。
そんなわけで、早くもあと一日です。