冬景山水画特展図録
1989年に台北故宮にて開催された「冬景山水画特展」の図録。
冬景色を描いた山水作品が主に収録されています。
中国絵画の山水画はよく夏冬や春冬など、対の作品として季節を対比させますが
個人的にはあまり見分けがつきません。
単に皴法を省略したか否か、くらいに見えてしまう。
元々白と黒しかない世界なのに、どこが雪でどこがそうでないのか・・
物質としての雪感に乏しいんですね。
中国絵画でも日本絵画でも四季は重要なテーマではありますが、
所詮絵空事なんだからどうでもいいじゃんそんなもん、と乱暴なことを言ってみる。
わたくしが絵画を抽象的に観すぎなのかもしれませんが。
それはともかく、雪景色を墨だけで表現するのは難しい。
日本画の雪は胡粉を使いますが、なにしろ墨と紙だけで雪を表現するわけで
ましてや、経年変化で絹本の地が茶色に変色してしまうと
なおさらわかりにくい。
作品自体の良さとは勿論別ですが。