YOSHITO ISHII:ROTRINGER'S DIARY

日日是匍匐:時時跳躍

20××年8月・香港

 

 

香港にはいつか行きたいと思っていました

 

 

 

 

 

香港と言えば、わたくしにとっては外国で初めて作品が売れた場所です。

 

 

わたくしが知っている香港のアーティストといえば、

ストリートアート風のフィギュアを作るMichael Lau(劉建文)

 

crazysmiles.com

 

「花様年華」のスチールを撮った写真家のWing Shya(夏永康)

 

www.wingshya.com

 

デザイナーのAlan Chan(陳幼堅)

 

www.alanchandesign.com

 

独特の人物画を描く Wilson Shieh(石家豪)

 

www.wilsonshieh.com

 

細密な切り絵を作るBovey Lee(李寶怡)

 

www.boveylee.com

 

 

・・ぐらいでしょうか。

「Hongkong contemporary art」で検索しても、

香港のアートマーケットで扱われている

中国本土や日本のアート作品しか出てきませんし 

大きな美術館もまだありません(目下建設中らしい)。

 

かつては「芸術不毛の地」などと揶揄されたこともありましたが、

アートフェアが次々と開催され、状況は大きく変わりつつある、とききます。

そして記憶にも新しい、雨傘運動。

 

例えば同じ中華圏である台湾とは何が違うのか。

そんなことで灼熱の香港へ飛んだのでした。

 

 

 

 

f:id:ishiiyoshito:20160805012504j:plain香港国際空港のタクシー乗り場(夏の香港、気温と湿気が本当にヤバい。レンズが曇る・・)

 

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香港には今現在、大規模な美術館というものがあまりありません。

(香港美術館がありますが、この時は改修中でした)

よって専らアートギャラリーを巡ることになります。

 

 

 

www.hanart.com

f:id:ishiiyoshito:20160805105526j:plainHanart TZ Gallery(漢雅軒) 

 

 

10年以上前、学生時代に台湾を旅した際にこの画廊の

台北支店に行ったことがあります。

その時は黄致陽という作家の個展をやっていました(ご本人にもお会いしました)。

元々が香港のギャラリーであり、今はここだけです。

 

 

 

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www.tangcontemporary.com

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f:id:ishiiyoshito:20160806123236j:plainTang contemporary art 當代唐人藝術中心。北京とバンコクにもある。

 

 

 

galeriedumonde.com

f:id:ishiiyoshito:20160806125818j:plain f:id:ishiiyoshito:20160806125653j:plainGallerie au monde 世界畫廊。今回見た展示の中では一番良いと思いました。

 

 

 

行ってはみたものの、既にもぬけの殻だったり

ここに掲載したギャラリーの中でも、この後閉鎖されてしまった所もあり。

香港の新陳代謝の激しさを感じさせます。転がる香港に苔は生えない。

 

 

 

街角

 

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f:id:ishiiyoshito:20160805140119j:plain f:id:ishiiyoshito:20160805135947j:plain兎に角どこへ行っても殺人的な暑さ

 

f:id:ishiiyoshito:20160805121424j:plain香港名物・竹足場。こんな非日常な光景が日常という環境で、作品作らなければならない香港の作家に同情する

 

 

食べたもの 

 

f:id:ishiiyoshito:20160805113022j:plain茶餐廳のカレー。かなり香辛料が利いていてスパイシー。日本というより東南アジア風 

 

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ホテルに程近い家傳滬曉にて。「滬」は上海の意。即ち上海料理。

甘い味付け。茸の炒め物に家鴨。

 

あとは天心店で美味しい点心も食べたのだが写真を撮らんかった・・

 

 

 

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ホテルと同じ敷地内にあった銀杏館(Ginko house)にて香港式洋食。

高齢者雇用を励行しているお店らしく、ウェイターがみな御高齢。

漢字から想像がつかなかったのでそれらしいものを注文したらドリアと

東坡肉らしき料理が出てきた。

ボリュームがヤバかったのであえなく東坡肉をお持ち帰り。

 

 

 

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旧英領だったせいか、意外にビールが充実している。

エールビールのロンドンプライドの中瓶が売られていたのが嬉しい(高いですが)

 

 

 

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宿泊した Heritage Lodge(翠雅山房)。

山の斜面に何棟もの建物が立っていて、

上記の銀杏館レストラン(現在は違う店らしい)や美術館になっている。

文化財団が運営しているそうな。

(※このおじさんは別にこれから飛び込むわけではありません)

 

 

台湾もそうだけど、香港やシンガポールにおける伝統文化ってなんだろう、

とよく思う。

世界中にいる華人達は、いろいろな事情で国外へ出て行ったのだろうけど、

みんなそこで頑なに自分たちの文化を維持している。 

 

「香港の魅力はカオスにある」とよく言われる。

だがそこに住まう人間にとって、特に若者にとっては

「いろいろな文化が混ざり合っていて面白い」とばかり言ってもいられない。

政治も含めて、アイデンティティはやはり切実な問題だろうと思う。

 

移民社会では否が応にもそこが問われてくるわけで、

自分としてはそんな事にすごく、興味がある。

 

 

 

f:id:ishiiyoshito:20160807133149j:plain f:id:ishiiyoshito:20160807144455j:plain香港アートセンターは休み。アート書店にもあまりめぼしいものはなく・・仕方ない。

 

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香港、面白いところではありましたが、

やはりアート的にはもう少し、という感じです。

美術館が出来たらそこにどういう作家の作品が所蔵・展示されるのか、

興味が湧くところです。