久々に東京・六本木。
ルイーズ・ブルジョワ展:
地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ
クソかっこいいタイトルです。
女性解放運動の観点から語られることの多い作家。
確かに表現されているものは女性としての自身の体験や身体に基づくものが
多いのですが、そこはやはり多分に多義的というか、豊穣な表現力。
単なるプロパガンダでは当然ありません。
初期の絵画作品。奈良美智の初期作品を連想させる
三男・アランを出産した際に作られた作品。
顔を覆っている男は出産に立ち入れない男性性の象徴のようにも見えるけど、
全体を見ると多分成長したアランくんなんでしょうね
彼女の象徴ともいうべきママン。禍々しさと何かを守る気高さ
巣を壊されても動じないのも蜘蛛の特徴、とキャプションにはある
球体というか卵型にフェチがおありと見た。卵子なのか乳房なのか、ちょっとファルスにも観える
絵画作品も良い。インスタや立体に行かず平面やってたらどんな作品描いたのか
ファルス形の作品。而してタイトルは「少女」。
ブルジョワはこの作品をしばしば子どもを慈しむように抱っこしていたそうな
なんというか、ある意味では非常に「わかりやすい」印象を受けました。
作風の幅はあれども、表現したいものはずっと一貫しているというか。
女性性・両性具有・矛盾・葛藤・守ること・攻撃性・エトランゼの孤独etc。
矛盾を矛盾のままに表現できるのは(できてこそ)美術なのだ。
そして矛盾と葛藤こそが作品の豊かさを担保してくれる。
一番気に入った作品「わたしの青空」。でも格子が