富岡惣一郎 白に染まる展@高崎市美術館
同時展示の中村眞美子・ドライポイント作品。
新潟上越高田出身の画家・富岡惣一郎の回顧展。
富岡氏は雪の白に着目した油彩で有名です。
下地に藍や黒などの絵具をスキージなどを使ってフラットに塗って乾かし、
その上から白絵具をやはり平らに塗って乾かない内にパレットナイフで削りとり
雪原や河などを描く、という技法のようです。
いわゆる余白の白ではなく、雪に象徴される物質的な、よりポジティブな白。
富岡氏は白を追求するあまり、「トミオカホワイト」という
オリジナルの白絵具を絵具会社と開発されたそうです。
(市販はされていないらしい)暖色系の白でした。
非常に清廉な、研ぎ澄まされた抽象的な画面です。
長岡の花火を描いた作品もありましたがやはり雪のシリーズが嚆矢。
白と黝のコントラストが眼に気持ち良い。
たまにこういう抽象画を観ると眼が洗われます。