富岡市立美術博物館にて、
三輪洸旗・三輪途道展
群馬・下仁田で制作されている
三輪洸旗・三輪途道ご夫妻の二人展です。
ふたりとも彫刻を中心に制作されています。
途道さんの方が知名度はあるかもしれません。
途道さんの作品は昔、
現美の企画展「MOTアニュアル2003 days 穏やかな日々」で観て以来。
もともと仏像がお好きだったそうで、在学中から
木彫一本でいこうと決めていたそうです。
今は目の病で視覚がかなり弱っておられるそうで、
鑿を使う木彫はもう難しく、粘土による脱乾漆作品が中心。
(粘土で像を作り、漆に浸した麻布を何枚も張り付けて乾燥後、粘土を繰り出す技法)
木彫ほどの厳密な表現ができないところが逆に魅力だ、とのこと。
大学院の修了制作では東大寺の重源上人像を二年かけて現地に通って
摸刻されたそうで、
今回はそれも出展されていました(写真撮影不可)。
途道さんの作品に派手さは全くありません。
仏像的な雰囲気も確かに纏っていますが、別段抹香くさいわけでもない。
身近な人々や日常のものを丁寧に観ようという視線があるばかり。
彼女の代名詞でもある猫たちも(これも撮影不可)、
ひとにまとわりついてくるようなかわいい存在ではなく、
目を細めてたたずんでいる、決して美猫ではない太ったり痩せたりしている野良猫。
洸旗さんの作品
白衣観音発見
抽象度の高い作風ですが、やはりこちらも静謐な印象。
作者の言葉など見るに、自分の身近な風景などからインスピレーションを受けた
広い視点を感じます。凛とたたずむチューリップ、は人の象徴でしょうか。
ここは中庭も良い。建築もよく自然の中にあって贅沢なロケーション