YOSHITO ISHII:ROTRINGER'S DIARY

日日是匍匐:時時跳躍

袁派両頭

 

清代の画家

袁江・袁耀の画集

 

 

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袁派です。

明の浙派・清の袁派。

 

 

袁派とは清の時代に江南の揚州で活躍した、袁氏一族を中心とした画派です。

見ての通り、宋代の宮廷絵画・院体画(李郭派)のスタイルを引き継ぐ

正統的で緻密な筆致ながら、ダイナミックな作風が特徴。

作品は悉く2ⅿ近く・中には5ⅿに迫るものもあり、

いささか化け物じみています。

袁派は宮廷画家の仕事だけしていたわけでもなさそうで、

彼らの作品は当時巨万の富を築いていた揚州の塩商の大邸宅の壁を飾るために

描かれたものも多いそうな(どんだけ広い邸宅なんだか・・)。

 

郭煕・范寛・李成など、北宋の院体画を引き継いでいる明清の画家はいないものか・・

と思っていたので(勿論明・清の宮廷内に宮廷画家がいないわけありませんが)

知ることができて嬉しい。

特に明清絵画は日本語で検索してもあまり情報が出てこないので。

「袁耀」で検索すると三国志の袁術の息子が出る始末です

(確かに袁術も江南の近くで活躍した人ですが)。

 

 

袁江が叔父・袁耀が甥(諸説あり)。

袁耀の方が筆致が安定していて成熟さと壮大さもあり、

叔父さんの作風をより発展させたように思います。

 

今回購入した作品集では巨大な奇岩によって

構成された山水画ばかり掲載されていましたが、

特に袁江は界画(建築を中心に描いた作品)も物しているらしく、

いずれそちらも観てみたい(分厚い作品集が欲しくなる・・)。

 

 

上海で真筆をぜひ観てみたいものです。

いつになりますやら。