李華弌(Li Huayi)
1948年上海出身。
この人は10代後半が文革期に当たるため、
ともすれば地方へ下放された世代ですが幸い上海に留まることができ、
プロパガンダポスターなどの製作でやり過ごせたそうです。
水墨画と西洋絵画の両方を学んだようです。
ネオ院体画とでもいうべき画風。
岩景ばかり描いていますが、
こういう絵は一旦モチーフの具体性から離れ、
抽象表現として観ても面白いと思います。
郭煕・范寛の岩をミニマリスティックにリピートするとこうなるよ、
という。
実際この方は1982年に奥様とともにサンフランシスコに渡り、
抽象表現主義の影響も受けたとか。
個人的にはこのへんの渡米の経緯がすごく気になるところです。
実際、作品を観ると岩肌と木以外ほぼ描いておらず、
これは現代絵画でなければあり得ない視点です。
(伝統絵画なら申し訳程度でも建物や人が必ず描かれている)
6歳から水墨画を描いているそうです。将に筆ネイティブ。