YOSHITO ISHII:ROTRINGER'S DIARY

日日是匍匐:時時跳躍

2017年8月・台北 その5

 

松山文創園区

 

www.songshanculturalpark.org

 

「文化創意特区」や「藝術村」と名乗る場所が、

台湾にはたくさんあります。

 

 

 

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以前ここに来た際には、

アーティスト・イン・レジデンスで滞在しているアーティストと

交流し、野外作品なども展示されていた記憶がありますが、

率直に言って今回はいい印象を持ちませんでした。

広大な建物をあまり生かせておらず、内部に空きが目立ちます。

(あげくスペースが余っているせいか、今回ユニバーシアードのプレスセンターになっている始末です。

 場所が足りないのかもしれませんが、文化創意と何の関係があるのだろう)

追伸:よくよく思い起こしてみたところ、アーティスト・イン・レジデンスで

アーティストに出会ったのは台北国際芸術村の間違いでした。そもそも松山文創園区は初見でした。

訂正致します。

 

今回聞いた話では、

本来「台湾の文化とは何か?」という問いから出発した

「文化創意」というフレーズは、今では濫用されているきらいがあって、

本来の意図とはズレて使われている例も多いのだそうです。

 

これには思い当たるところもあって、例えば過去台北に来た際には、

わたくしは必ず華山藝文特区(まだ1914文創園区に名前が変わる前)に

行っていました。

15年前の、ろくに建物のなかった時代から、

アートギャラリーやお洒落なショップが入っていた時代も見ています。

しかし、一昨年訪れた際には整備こそよくされているものの、

展示と言えば日本のアニメやポップカルチャーに関するものばかりで

(だから人出は多いのですが)

もうここは俺が来る場所ではないな、と感じました。

そして今回の松山・・。

 

かつて従来の美術館に代わる新たなアートスポットとして、

オルタナティブスペースが持て囃され、雑誌によく掲載されていた時代がありました。

(今でもアート特集など組まれる際には載っているかもしれません)

 

これは台湾に限った話ではありませんが、

大規模なオルタナティブスペースの運営には確固たるコンセプトを明確に持ち、

強いリーダーシップを持ったキュレーターでもいない限り、

商業主義に走ったり建物を持て余したり、単なるイベント会場と化してしまう宿命から

逃れられないように思います。

 

気を取り直して現代美術館へ

 

 

www.mocataipei.org.tw

 

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李真(Li Cheng)という作家の個展。

こういったずんぐりむっくりした造形は、しばしば台湾のアートで観られるものです。

(個人的にはあまり好きな造形センスではありません・・)

 

 

台北市立美術館

 

臺北市立美術館 | 首頁

 

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台湾と韓国の作家の交流展。

今回の旅は何故だか韓国付いていて、台中で観たチェ・ウラムに続き、

ここでも韓国アートを観ました。

 

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VRを使った体感型の作品もありましたが、

自分はやはりこういった作品が好きです。

ドローイングを印刷してインスタレーションにしたものですが、

よく観ると双頭などの奇形動物を描いたものだとわかります。

 

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二階は収蔵作品展

 

f:id:ishiiyoshito:20170823062644j:plain f:id:ishiiyoshito:20170823062941j:plainフォンタナ                      須田悦弘

 

その後、内湖線の西湖駅へ。

この界隈はオフィス街でIT企業も多く、

そこに勤務する富裕層を当て込んだアートギャラリーが数軒あるのです。

 

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秋刀魚芸術中心。油絵教室が開かれていました。ディレクターの女性に名刺と個展のパンフを渡しましたが、

実に素っ気ない対応をされてしまいました

 

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このギャラリーにいた、自分と同様にギャラリー巡りをしているという

ヴェトナム人の女性彫刻家に道を聞かれ、しばしの間、同行しました。

よもやま話をしつつギャラリーを探し回り、なかなか楽しい時間を過ごしました。

 

そんなわけで、早くもあと一日です。