二年ぶりに続きを書くことになろうとは・・
琴平金毘羅さん。登るのが実に骨です。
応挙・若冲・そして高橋由一。保存状態としては正直どうなんだろう、
と思いました。
そして、広島へ。
広島市現代美術館。ライフ=ワーク展。
被爆者が自身の体験を描いた作品と現代の作家の作品のコラボ。
斎藤環先生がいわゆる「アウトサイダーアート」への批評の不可能性を
よく説いておられるが、被爆者の作品もまた、そこに属するものだと思う。
どんな人間であれ、被爆者の作品の前では批評などやりようがない。
またすべきでもない。
「ただ目撃せよ」。
そういった、ある意味ジョーカーのような作品と同じ空間で、
まして特に原爆と直接的に関係ない作家の作品を展示することは、
作家にとってもキュレーターにとっても勇気が要る。
それらの作品に負けないだけの作品を提示し、
コンセプトとも齟齬が生じないようにしなければならない。
ツイッターでも呟いたが、これは極めて難しいキュレーションで、
でも実にうまく対比させていた。
前半に被爆者の作品
中継ぎに間接的に原爆と関係のある作家の作品
(親族や戦争経験者、戦争をテーマにした作品)
後半に原爆と無関係な作家の作品、という構成。よくぞやったと思う。
そして丸木位里・俊の「原爆の図」の修復もしていたが、
これも異様な凄味があった。
(しかし日本の美術館、写真撮影NGなのがほんとに惜しい)
夏の広島は、静謐に包まれておりました。