YOSHITO ISHII:ROTRINGER'S DIARY

日日是匍匐:時時跳躍

美術書籍:ART BOOK

喩継高

喩継高画集 彼の画風は率直に言って特徴が捉えにくかったのですが, かなり水彩寄りの工筆画、という印象を受けます。 枝を描く時に輪郭線を描かず没骨や溌墨で表現しています。 線を節約した,水彩に近い表現。 よく観ると蓮の葉一枚一枚にまで溌墨法で描か…

星野美智子全版画集・内容と技法の関係

星野美智子全版画集 www.michiko-hoshino.com リトグラフと写真製版、あとCGも。 ボルヘスというアルゼンチンの小説家の小説から着想を得た作品だそうです。 生憎不勉強で名前さえ知りません。マジックリアリズム、だそうな。 (ガルシア・マルケスとかそのへ…

南宋四大家絵画精品集

南宋の四大家と呼ばれる画家たちの作品集。 李唐・劉松年・馬遠・夏圭。 北宋南宋通じて宋代の水墨画は中国絵画の原点と呼ばれ、 崇拝に近い扱いを受けているようです。 中国の古典絵画は個々人が作品集を出せるほど作品が現存していないため、 抱き合わせで…

現代工筆画・高茜

画境・高茜 いかにも工筆画の新世代といった風情。 余白の多い構図とシンプルなモチーフ・静謐で淡い色彩に、少し性愛の香りが漂う。 この「画境」シリーズ、若い作家を扱っていていいんだけど、 版の大きさ(B4くらいある)に対して超薄いので、 大抵どこかし…

陳洪綬

陳洪綬 工筆画のつもりで購入したら、 豈はからんや文人画でした。 花鳥はともかく、人物画のこのユルさ。 でもちょっとアウトサイダーアートっぽくて、 線ものびやか。白隠にもちょっと似ています。 いい味わいがあります。 ご本人は画工としてしか扱われな…

現代工筆画・蘇小松

蘇小松(苏小松) zh.twgreatdaily.com 根源師傳叔心、かな。 1964年生まれ、生粋の上海人。 新海派(新海上画派)の領袖、などと紹介されています。 清末に新興都市の上海を中心に出てきた芸術潮流を海上画派といい、 その現代版が新海派、ということらしい。…

現代工筆画・沈寧

沈寧(沈宁) 全て絹本着色。超絶的に巧いのは勿論ですが問題は内容です。 穏当な作品の影に、かなり性的な作品も(検索すると百合まで出てくる)。 観る人によってはちょっと嫌悪感を催しそうな作品も。 描かれた動物たちは性的な欲望の象徴でしょう。 驚くべ…

韓国単色画

チョン・チャンソプ (丁昌燮,Chung Chang-Sup,정창섭) 昔の中国の次は現代韓国。韓国単色画。 70年代の韓国で出てきた画風です。 単色画は欧米でも人気が高いらしく、 個人の作品集がずいぶん出ています。 確かにホワイトキューブに展示するなら こういう…

浙派両頭

袁派の次は浙派。 明代の職業画家中心の画派です。 戴進・呉偉。これもいい。 どこの国でも時代が降るにつれて 技術はより洗練され、成熟を観ます。 それと引き換えに黎明期の新鮮さや素朴さは失われる。 日本でも江戸より室町の水墨画の方が あっさり目で質…

袁派両頭

清代の画家 袁江・袁耀の画集 袁派です。 明の浙派・清の袁派。 袁派とは清の時代に江南の揚州で活躍した、袁氏一族を中心とした画派です。 見ての通り、宋代の宮廷絵画・院体画(李郭派)のスタイルを引き継ぐ 正統的で緻密な筆致ながら、ダイナミックな作…

郎世寧・仙蕚長春図

郎世寧の仙蕚長春図です。 書籍というよりほとんど冊子。 横長の紙に印刷されて織り込まれている装丁です。 例によって乾隆帝の印がでかでかと押されています。 故宮博物院あるある。

陳之佛・于非闇

陳之佛と于非闇の画集を購入。 どちらも民国期の画家。 特にこの于非闇の作風が、 ベースは工筆画(中国絵画における緻密に描く技法)ですが、 南画あり水墨あり郎世寧風の陰影描写ありで幅広い。 そして賛が全て痩金体。これが超かっこいい。 この人の美意…

山口小夜子 未来を着る人

「山口小夜子 未来を着る人」展図録 yamaguchisayoko.com 前髪ぱっつんの黒髪ロング・切れ長を強調するアイライン。 当時の流行を逆手にとった「日本らしさ」。 (実際は大正期のモガあたりが元祖でしょうけど)。 こういったアジア的なステレオタイプ(必ず…

Adrian Ghenie

エイドリアン・ガーニー、であります。 www.pacegallery.com 現代のF・ベーコンともいうべき画家。 キャンバスにコラージュし、その上から油彩で描いています。 Hatje Cantzから同じ装丁の作品集が二冊出ていますが 一冊目の作風の方がコラージュの断片が残…

最近購入した美術書籍・その14

別冊太陽・岩佐又兵衛 ヴォルフガング・ライプ 藤林叡三 エイドリアン・ガーニー 岡原大崋氏の著作数点 岡原氏の著作は指導書ばかりでご本人の作品集がありません。 ネット上のインタビューなど拝見しますと どうやら後進の育成に力を注いでおられるようで …

旅する日本画 士農力作品集

kanabee.com まず名前がユニークだ。 この人の名前で検索すると農業関係の記事も一緒に出てくる。 暗い下地に白い線(多分日本画の胡粉であろう)でビル群を描いています。 「旅する」と題していますが、率直に言って 各都市の個性や喧噪は作品からは殆ど感…

現代彫刻アンソロジー

現代彫刻アンソロジー。 掲載作品は殆どが木彫で後は金彫とミクストメディア。 日本では古来彫刻といえば木彫が中心で他は鋳造した仏像などが主ですが、 21世紀の現代でも特に木彫の良品が目立つことが不思議です。 木彫・具象、そして動物をモチーフにした…

最近購入した美術書籍・その13

久々にまとめ買いしました。 直接的に自作に影響せずとも、インプットが必要です。 欲するものがあります。 現代彫刻アンソロジー 旅する日本画 士農力作品集 別冊太陽 雪舟決定版 日本美術の底力

最近購入した美術書籍・その12

THE UPSET YOUNG CONTEMPORARY ART 2008年に出版された作品集です。 あの当時流行った(?)ダークファンタジー系の具象絵画ばかり。 暗くて毒々しい作品が多く、観ていてちょっとくたびれます。 もうちょっと変化が欲しいかな。 オリオン 深井克美 全画業 …

最近購入した美術書籍・その11

佃弘樹と尹亨根(ユン・ヒョンクン)。 韓国抽象画の巨匠と日本の若手。 佃氏の作品は六本木クロッシングでも拝見しました。 もの派、特に李禹煥に共感するという佃氏。 具体的な建築物の画像をコラージュしているのですが 全然具体性というか物語性が感じら…

最近購入した美術書籍・その10

遠出ができない状態なので、代わりに美術書籍を買うことで代替えしています。 狩野派や室町時代の水墨画。 雅邦の師である狩野養信に興味が湧きました。 検索するとさまざまな画風で描いてきたことが分かります。 大和絵あり水墨あり、 当時の中国絵画である…

最近購入した美術書籍・その9

最近購入した画集。 個人的に、絶対に観なきゃいけないんだけど まだ観ていない作家たち、という存在があります。 小谷元彦さんもその一人。 phantom-limb.com 作品を「亡霊」と呼ぶ、その“亡霊”という言葉の意味。 骨やはく製など具体的なモチーフを使いつ…

最近購入した美術書籍・その8

マシュー・バーニー「拘束のドローイング」 もう10年以上前の映像作品ですが、ずうっと気になってはいたものの、 何故か今まで手を付けませんでした。すごく良い。 「沈黙ーサイレンスー」を最近観たせいか、作品のイメージがより際立つ。 ”鯨”であるところ…

最近購入した美術書籍・その7

没後80年 高島北海展図録 長谷川等伯展図録 杜昆 ロック神たちの祝祭展図録 高島北海は南画がベースらしいですが割に画風は緻密でした。 地質学者でもあり、今の北朝鮮の金剛山に初めて登頂した日本人だそうです。 長谷川等伯は持っていたかなと思いましたが…

最近購入した美術書籍・その6

最近購入した作品集。 www.artsy.net George Shaw。イギリスの画家です。 作風はホッパーに少し似ています。 実に何ということのない、イギリスのありふれた風景を淡々と 描いている作家です。 私的な風景なのでしょうが、湿っぽくならず、 寧ろ自分の記憶を…

最近購入した美術書籍・その5

李華弌(Li Huayi) www.kwaifunghin.com 1948年上海生まれ。 10代後半が文革に当たるため本来なら地方へ下放されるはずですが、 幸い上海に留まることができ、プロパガンダポスターなどの製作で やり過ごせたそうです。 水墨画と西洋絵画と両方を学んだようで…

最近購入した美術書籍・その4

ピーター・ケイン(Peter Cain)です。 www.petercain.org 10数年前、現美のミスミコレクション展で観ました。 車ばかり描いていた作家です。 といっても車体をそっくり描いただけのカーイラストではありません。 車体が縮小され、シュールな形態の車として…

最近購入した美術書籍・その3

南国の次は北国で。 深井克美 www.zaidan-hakodate.com 北海道函館生まれ。独学で絵を描いていましたが精神を病み、 30歳で自死してしまいました。 この人の作品も教科書で観て以来、ずっと覚えていたのですが作家名を思い出せず、 ようやく探し出すことが出…

最近購入した美術書籍・その2

東南アジアの作家を二人。 ここ数年の東南アジアのアートの発展はハード・ソフトともに目覚ましく、 経済成長と連動して美術表現が進化しているのが見て取れます。 ロナルド・ベントゥーラ(Ronald Ventura) フィリピンの作家です。 フィリピンにはこのような…

最近購入した美術書籍・その1

勉強と趣味を兼ねて、画集・図録・作品集をよく購入します。 最近購入したものを紹介します。 インカ・エッセンハイ(Inka Essenhigh) www.victoria-miro.com アメリカの作家です。 昔の美術手帖で「北斎とディズニーとダリのリミックス」みたいな 紹介のされ…